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小林よしのり
2019.3.1 12:08日々の出来事

米朝合意の決裂で安堵した

米朝合意が決裂して安堵した。
北朝鮮の核保有を容認しても、米朝の間で「戦争終結宣言」
や「平和条約」が結ばれれば、北東アジアに平和が訪れる
と信じていた日本のリベラル勢力は、さぞやがっかりした
ことだろう。

リビアの前例で学習した北朝鮮が、核の完全放棄など
するはずもなく、「戦争終結宣言」なんて出されたら、
在韓米軍の撤退まで進まざるを得なくなる。

北朝鮮が日本に届く中距離ミサイルや核兵器を持ったままで、
朝鮮半島の見せかけの宥和政策が続いたら、外交において、
最も危険な状態になるのは日本だ。

しかし、ここ最近の北朝鮮を巡る安易な意見には閉口した。
「戦争状態の終結」や「平和条約」や「朝鮮半島の統一」と
いう観測まで出ていたが、そんな甘い話は吹き飛んだ。

「トップ同士で話し合えば解決」と、日本のリベラル勢力
は言っていたが、下からの積み上げなしのトップ会談の
限界も、今回の決裂で見えた。

ひとつ明確に分かったことは、経済制裁が相当に効いている
ということだ。
これしか武器はない。
「経済制裁の解除」と、「核の完全廃棄」が唯一の交換条件で
なければならない。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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